世界遺産「富岡製糸場」と上州一宮「貫前神社」を巡ろう!
こんにちわ。
今回は上州富岡の楽しみ方を紹介いたします。
富岡市について
富岡市は群馬県南西部にある市です。富岡製糸場が世界遺産に登録されたことで、一躍有名になりました。群馬県最大のターミナル駅であるJR高崎駅から上信電鉄に乗り換え、40分程度で富岡市の中心地、上州富岡に着きます。この地域は昔から養蚕業が盛んであり、その点から官営の製糸場がこの場所に作られた可能性があります。
貫前神社の主祭神である、「比売大神(ひめおおかみ)」は養蚕や機織りの守護神として考えられています。ゆえに、今でも郊外には桑の木や桑畑を目にすることができます。
上野国一宮 貫前神社
上州富岡駅から上信電鉄で5分程度行くと、上州一宮駅に着きます。
駅舎はレトロなつくり・・・というか単純に古い駅舎です。島式のホームの端から改札へと向かう田舎駅タイプです。駅名の由来は上州(上野)の一宮である貫前神社の門前町であることからでしょう。
上州一宮駅から徒歩5~10分程度で上野の国の一宮である「貫前神社」(ぬきさき)に着きます。
貫前神社は今の群馬県にあたる「上野国」の一宮です。旧国幤中社となっております。
貫前神社はとても珍しい造りになっています。普通は参道を登り、総門の向こうに境内が広がっていますが、貫前神社は参道をまず登り、総門を潜り、少し下ったところに本殿があります。なぜこのようなつくりになったかは定かではないそうですが、一度来たら忘れられない作りです。
現在の社殿は徳川家光が造営したもので、極彩色の漆塗りを施した華麗な作りになっています。御祭神は「経津主神」(ふつぬしのかみ)という武神と「比売大神」(ひめおおかみ)という養蚕機織の神様です。
ちなみに貫前神社からの帰り道にはこんな絶景を眺めることができます。
富岡製糸場
上州富岡駅から徒歩10分程度で富岡製糸場につきます。富岡製糸場は2014年に「富岡製糸場と絹産業遺産群」として日本の近代化遺産としては、初めて世界遺産に登録されました。当時の日本の輸出を支えていた生糸産業に力を入れるため、政府が官営工場を富岡の地につくったのが日本の工業化のはじまりでした。
富岡製糸場には、3つの国宝、3つの重要文化財があります。
東・西繭置所
こちらは東西2つありますが、両方とも国宝に指定されています。よく写真や映像で流れるものですね。東の1階内部は見学可能となっています。西は現在修復作業中です。別料金を支払うと、修復風景を見学することができます。
僕が行った時には2階も東の一部を公開していました。
1階は事務所、作業場として使い、2階は完成させた繭を貯蔵していました。建物は木の骨組みで柱の間にレンガを積み上げて作る「木骨煉瓦造」です。ちなみにこの建物も横須賀編で紹介した、フランドル積みが使われています。煉瓦造りってすごい好きなのでとてもいいです。めっちゃテンション上がります。
1階は説明書きなどが書いてあり、映像コンテンツもあります。富岡製糸場の歴史や、蚕のことについてなど、結構細かく書かれています。
フランス式繰糸機の復元が展示してあり、曜日によってはイベントとして実演などを行っています。
2階はこんな感じです。
操糸所
こちらの建物も国宝に指定されています。操糸所は繭から生糸を取る作業が行われた場所です。創業当時はフランス式の繰糸器が設置され、世界最大の製糸工場でした。
小屋組みは「トラス構造」で日本の建築方式ではありません。これの特徴は、建物中央に柱を必要とせず、広い空間を作り出すことが出来るところです。トラス構造とは、複数の三角形を骨組みとする構造形式です。
このように内部に柱を必要としないので、スペースとして使える場所が増え、圧迫感を感じない造りになります。上の写真を見ていただくとわかるように、屋根の部分が多くの三角形によって構築されていますね。トラス構造は橋やタワーなどに用いられる構造です。
ブリュナ館
こちらは重要文化財に指定されています。
最初の指導者として雇われたフランス人の「ポール・ブリュナ」が家族と暮らしていた建物です。入ることはできませんが、この建物はレンガ造りの地下室も残っているそうです。
社宅跡
こちらが社宅だそうです。普通の家ですね。
敷地内に社宅があるなんて羨ましいかぎりです。
オススメのおみやげ
2014年に富岡製糸場の世界遺産が決まってから、観光客が数倍に跳ね上がりました。それによって、お土産も数が多くなりました。その中でもいちおしのお土産を紹介いたします。
世界遺産登録を受けて、観光客が増え、一時的に品切れになったお土産があるのです。
それは「かいこの王国」です。
この箱を開けると・・・
こいつがいます!チョコレートなのですが、すごくリアルです。
桑の葉にいる蚕をイメージしたこの作品です。葉の部分には桑の葉パウダーが練りこまれ、抹茶のようなほろ苦さの残るチョコレート。そしてメインの蚕の部分にはホワイトチョコレートにクランベリーの酸味を少し加えたものにコーンフレークやパフなどを混ぜて、本物の蚕とそっくりになっています。
見た目とはウラハラに、味は普通に美味しいです。葉っぱの部分の苦味と、蚕の甘酸っぱいチョコレートが見事に調和し、絶妙な味を作り上げてくれます。酸味があることで、ホワイトチョコレートの口の中に残る甘味が、かなり軽減されています。
現在では新商品として繭の形をした可愛らしいチョコである「まゆこの夢」や、まゆ、蚕、かいこの成虫、の3つのチョコがセットになっている「蚕の一生」。そして富岡製糸場チョコレートなども出しているそうです。ビジュアル的にお土産に買っていくにもよし、自分で食べるにも最適です。ウケること間違いなしです!
見た目にも味にもこだわり抜いたこの「かいこチョコシリーズ」ぜひ一度食べてみてはいかがでしょうか?
まとめ
日本の近代産業として絹産業を通じて日本を支えた富岡の地。今後は近代遺産群として、観光の面から日本を支えていくことになるのではないかと思います。世界遺産に登録されたことにより、一躍その使命が大きくなったのではないかと。日本が世界に誇れる品質の絹を作り出していた工場と、桑の木。そして人々の技術を生んだ富岡。
ぜひ一度、訪れてみてはいかがでしょうか。