熊野三山と那智の滝で世界遺産を満喫しよう!

今回は和歌山県の熊野三山について紹介します。熊野三山とは「熊野本宮大社」と「熊野那智大社」「熊野速玉大社」の3つです。世界遺産である「紀伊山地の霊場と参詣道」を構成する建物です。2004年に世界遺産に登録されたことで、熊野の地は世界的にも有名になりました。道が世界遺産に登録されている例は極めて珍しく、世界で2つしかありません。そのうちの一つが「熊野古道」です。

熊野三山の参詣ルートとしては、貴族や皇族は京都からでしたので、田辺を経由した「熊野本宮大社」→「熊野速玉大社」→「熊野那智大社」の順番だそうです。今回は私もそのルートで回ってみました。もちろん車ですが。

熊野本宮大社

まず最初に向かう熊野本宮大社は全国に3000社あると言われる熊野神社の総本山です。古くから信仰を集める神社であり、後白河上皇は京都から34回も熊野詣をしたと伝えられています。当時は車もなく、往復すると1ヶ月かかったそうです。

アクセス

熊野本宮大社へのアクセスは交通が発達した現在でもかなり悪いです。電車だと最寄りの駅から1時間以上バスに乗ることになりますので、オススメは駅や空港からレンタカーです。

電車とバス利用の場合、2つのルートがあります。
新宮駅からバスで1時間半のコース
田辺からバスで2時間のコース

レンタカーだと多少早いかもしれません。駐車場も無料ですのでゆっくりと散策することができます。

境内

駐車場から境内に入るところに鳥居があります。

熊野本宮大社鳥居

こちらが神門になります。大きなしめ縄がかかっています。

熊野大社の門

象徴とされている八咫烏はサッカー日本代表のトレードマークにもなっています。八咫烏は太陽の化身で三本の足があり、それぞれ天・地・人をあらわす、といわれています。天は神様、地は自然、人は人間をあらわしているそうです。神話では、熊野の主祭神である家津美御子大神(素盞鳴尊)の使いとされていて、日本を統一した神武天皇を、大和の橿原まで先導したという神武東征の故事に習い、導きの神とされています。

この先に本殿があります。が!本殿は聖域のため撮影禁止とのこと…残念ですが、写真はありません。

熊野本宮大社の本殿は木の雰囲気が重厚感を感じる造りになっています。4か所の社が連なっています。参拝の順番と祭神は

①証誠殿(本宮・第三殿) 家津美御子大神(素戔嗚尊)
②中御前(結宮・第二殿) 速玉大神
③西御前(結宮・第一殿) 夫須美大神
④東御前(若宮・第四殿) 天照大神
⑤満山社         結ひの神(八百萬の神)

となっているそうです。

神門の左側にある拝殿は写真撮影が可能でした。

熊野本宮大社拝殿

こちらが拝殿です。

本殿の写真撮影禁止はなかなかこたえます。

 

大斎原(おおゆのはら)

熊野本宮大社から500mほど離れた場所に、旧本宮大社の社地である大斎原(おおゆのはら)があります。

現在は高さ33.9m幅42mの日本一の大鳥居が建っています。道は分かりにくいかもしれませんが歩いて10分くらいです。

大斎原はもともと熊野本宮大社があった場所です。熊野詣が盛んだったころは、この大斎原を目指して熊野古道を人々は歩いてきていたのです。水害で流されたため、明治22年に現在の場所に移されました。

大斎原の鳥居

熊野古道

ここまで来ると熊野古道を垣間見ることができます。

熊野古道

熊野古道は本来はこの場所を結んでいました。機会があれば熊野古道を歩いてみたいものです…。

熊野古道は道として世界遺産に登録されています。これはとても珍しい例で、世界で2カ所だけだそうです。

熊野速玉大社

熊野速玉神社は和歌山県新宮市にある神社で、熊野三山の一つに数えられています。もともとは1~2キロ南の神倉山に位置していたようです。その場所を古宮(旧宮)に対してこちらは新宮となっています。

アクセス

熊野三山の中で電車でのアクセスが一番いい神社は速玉神社です。JR新宮駅からバスで5分の好立地です。駐車場は無料ですが、少し狭いように感じました。歩いても15分程度で到着することができますので、徒歩移動でもいいかもしれません。熊野三山の中で唯一駅から歩いていける場所となっています。

境内

こちらが入り口です。

熊野速玉神社入り口

神橋を渡り、5分ほど歩くと神門が見えてきます。

本宮大社の神門は茶系で控えめだったのに対し、こちらは朱色で迫力があります。堂々たる佇まいです。

こちらが熊野速玉大社の本殿になります。

速玉大社本殿

本宮大社とは違い、朱色に彩られた美しい本殿です。

本殿

こちらもお社が5棟並んでいます。

速玉神社の御祭神は熊野速玉大神、熊野夫須美大神、家津美御子大神です。この場所は再出発を促す「甦りの地」と言われています。

熊野那智大社

熊野那智大社は和歌山県の那智勝浦町にある神社で、熊野三山の一つです。那智山の中腹に位置し、日本三名瀑に数えられている「那智の滝」のそばにあります。

アクセス

那智大社への電車でのアクセスは紀伊勝浦駅か那智駅からバスで30分、バス停から15分くらい石段を登ります。本宮大社に比べたらよいと言えます。駐車場からかなり階段をのぼるため、足に自信がない方はすぐそばの駐車場を利用することをオススメします。

ただし、通行料が別途800円発生します。また、那智の滝・那智大社周辺は道が混雑する可能性がありますのでご注意ください。

境内

駐車場から10分くらい階段を歩くと、鳥居が見えてきます。

那智大社の鳥居

ここからさらに階段を上ります。すると本殿が見えてきます。

熊野那智大社

熊野那智大社は、那智山青岸渡寺とともに熊野信仰の中心地として栄華を極め、古来より多くの人々の信仰を集めたそうです。

熊野那智大社の起源は那智大滝に対する自然崇拝にあるとされています。つまり、那智大社の御祭神はそばにある那智の滝です。

青岸渡寺(せいがんとじ)

青岸渡寺は熊野那智大社のすぐ隣にあるお寺で、こちらも世界遺産を構成する一つです。

三重塔と那智の滝

本殿は歴史と重厚感が感じられる造りになっています。那智大社が美しい朱色だったのでちょっと地味に見えます。

ここでのお目当ては、那智の滝と三重塔のコラボレーションです。有名な写真スポットですので、誰でも一度は見たことあると思います。朱色の三重塔のバックには盛大に流れる那智の滝。文化と自然のコントラストがとてもいいです。

那智の滝

那智の滝は日光の「華厳の滝」茨城の「袋田の滝」と並び、日本三大瀑布に数えられる名瀑です。それでは今度は那智の滝を近くまで見に行きましょう。

また下っていくと、飛瀧神社(ひろうじんじゃ)にたどり着きました。下ると那智の滝を間近で見ることができます。

飛瀧神社

やはり近くで見ると同じ三名瀑の袋田の滝とは比べ物になりません・・・。日光の華厳の滝よりも落差が大きいそうです。

水量は時期によりますが、糸のように落下する様にはただただ圧倒されるばかりです。

那智の滝

いかがでしたか?

熊野三山の魅力について紹介してきました。個人的には古道もあわせてもう一度めぐってみたいと思います。足腰が弱くなる前に・・・。

熊野本宮大社

熊野速玉大社

熊野那智大社