神話の地・吉備津で桃太郎伝説の足跡を辿ろう!

吉備津神社回廊

こんにちは、ゆうです。今回の記事は中国地方です!遠征してきました!取材費出してくれるパドロン様が欲しいです。

というわけで、岡山県の県庁所在地で、政令指定都市である岡山市の神話エリア、吉備津周辺を紹介します!

 

岡山市について

岡山市は中国地方では広島市に次いで第二の都市です。そして岡山県の県庁所在地です。昔ここは吉備の国として栄え、吉備の国が備前、備中、備後、美作へと分かれていきました。この地域は歴史が古く、神話の時代から登場します。

今回はその神話の時代までさかのぼり、桃太郎伝説の発祥の地である吉備津周辺を紹介いたします。吉備津は岡山市北区にあり、岡山駅から桃太郎線で10分ほどで到着する「吉備津駅」「備前一宮駅」周辺にあたり、史跡が広がっています。

 

桃太郎の話のもととなった「温羅伝説」

吉備津の神話を語るうえで外せないのは「温羅(うら)伝説」です。

温羅伝説は桃太郎神話の元となった吉備地方の伝説です。しかもこの温羅伝説は2つの逸話が存在するのです。

記録によると温羅の両目は虎狼のようで、髭や髪はまるで燃えるような赤さ、巨大な体は1丈4尺におよび、両腕の筋肉は隆々としていて、性格は荒々しく凶暴だったそうです。

1つめの温羅伝説

温羅は異国からやってきた人物で乱暴や横暴で吉備の人々を苦しめていた悪鬼で、それを大和朝廷の命を受けた吉備津彦が討伐に向かい、激闘の末温羅を打ち破ったという伝説です。

2つめの温羅伝説

もう一つの温羅伝説は、温羅が朝鮮からやってきたことに変わりはないのですが、当時進んでいた朝鮮半島の技術を吉備の国に伝えた人物だという説です。

この地に製鉄技術をもたらした人物と言われているのです。吉備津神社から北西にある、温羅が住んでいたとされる城跡があるのですが「鬼ノ城(きのじょう)跡」は朝鮮式の城です。

この吉備国の技術の進歩を恐れた大和朝廷が、温羅を討伐させたというのです。

その証拠に吉備国は鉄の名産地であり、「備前長船(おさふね)」をはじめとする名刀の数々が吉備国で生まれています。

 

ロマンがありますよね。

歴史が強者によって書き換えられることが多々ありますが、温羅伝説もその一つなのでしょうか。神話の世界で出てくる鬼は実際の鬼ではなく、病気や逆賊といった対象を指すことがありますが、この神話で出てくる鬼とはいったい何者なのか…。想像するだけでワクワクしてしまいます。ちなみに伝説で出てくる大蛇は川の洪水を大蛇に見立てることがありますよね。川が洪水を起こして村々を飲み込んでいく様子はまるで大蛇が暴れているように見えますよね。

この伝説の舞台となる吉備国では温羅の居城であったとされる鬼ノ城や、吉備津彦の陣が敷かれた吉備津神社、吉備津彦の矢を受けた温羅の血が流れた血吸川、温羅の首をはねたとされる首部(こうべ)という地名が残ります。

吉備津神社

JR桃太郎線の「吉備津」駅から徒歩10分程度でたどり着くのが、吉備の国の一宮です、吉備津神社は備中国の一宮で、鬼退治伝説の英雄を祭った神社です。

吉備津神社入口

駅から水田の中に真っ直ぐ延びる松並木が表参道となっています。その先に見えるのが「吉備の中山」です。この「吉備の中山」は古くからの名所で、歌枕として数々の和歌にその名をとどろかせています。吉備の中山は、備中国と備前国の中間地点とされ、吉備津神社は備中国側に作られています。備前側には吉備津彦神社が鎮座しています。

吉備津神社楼門

吉備津神社は大吉備津彦大神が主祭神となっており、山陽地方屈指の神社です。
吉備津神社

この神社の本殿は、国宝に指定されており、高い白漆喰の土壇と、番の鳳が羽を広げたような姿の「比翼入母屋造り」が特徴です。この造りは他に例がないことから「吉備津造り」ともいわれています。

吉備津神社本殿

こちらの神社の裏手には北と南を結ぶ回廊があり、素敵な神社です。

吉備津神社回廊

回廊周辺にはアジサイが植わっているらしく、梅雨の季節には鮮やかな花を咲かせるようです。

 

吉備津彦神社

吉備津駅から桃太郎線で一駅の「備前一宮」駅から徒歩5分以内でたどり着けるのは、駅の名前の通り、備前の一宮である「吉備津彦神社」です。

吉備津彦神社

吉備津彦神社の御祭神は、大吉備津日子大神(おおきびつひこのおおかみ)で、吉備の中山の備中側に鎮座する吉備津神社と同じ神様を祭っています。これは7世紀後半に吉備の国が一つの国だったためと言われています。伝説では人々を悩ませた「温羅(うら)」という鬼神を退治したとされています。

吉備津彦神社参道

こちらは吉備津彦神社の参道です。入口の狛犬は備前焼で出来ています。鳥居をくぐると、神池の中央を松並木が貫いています。そして随神門へと続いていきます。

吉備津彦神社門

本殿は檜皮葺きの屋根に、欅の柱を利用した素木作りとなっています。夏至の日には太陽が正面鳥居の向かいの山からのぼることから、「朝日の宮」と呼ばれていたらしいです。

まとめ

今回は一宮のみの紹介となりました。

今回は歩いて回りましたので、巡る場所が少なかったですが、いろいろ史跡をめぐるにはレンタサイクルをおすすめします。電車の旅にはレンタサイクルすごく便利ですよ!

それではまた。

吉備津神社

吉備津彦神社